13.白茶中国茶の講座-中国六大茶
「白茶」は「萎凋」と「乾燥」の二工程だけの製造工程の為、自然発生的な「お茶」として長い歴史があると思われがちですが、案に相違して歴史は比較的新しく、「清代」の嘉慶帝の嘉慶元年(1796年)に福建省で製造が始められたと言われます。 当時は地元の茶葉の芽を使っていたため、あまり商品価値が高くなかったのですが、1885年から「福鼎大白茶」という優良品種から製茶するようになり、現在のような「白茶」の生産が始まりました。 このため現在の主産地も福建省で、福鼎・政和・松渓・建陽各県で生産され、一部台湾でも少量生産されています。 水色は黄色といわれる緑がかった淡い黄色で、さっぱりとした味と香りで、仄かな甘い後味があるとされますが、日本人には「黄茶」と同様にクセがあるように感じられます。 |
福鼎市の取引農場、標高700m |
14. 白茶の製造工程 中国茶の講座 中国六大茶 「白茶」の製造工程は、青茶職人の勘だけが頼りの自然まかせが基本のようです。 工程は「萎凋」と「乾燥」の二工程だけで、ゆっくり自然に萎えさせ、ゆっくり自然に乾燥させるだけです。 しかし原料となる茶葉は芽に白亳の多い「福鼎大白茶」等を使わなければ製造することは出来ません。 しかし、ここで小生の悪い癖が頭を持ち上げます。 この「白茶」の工程に、何となく「お茶」の原初的製造方法」を感じるのは小生だけでしょうか。 ひょっとして福建省のある地域では農家の自家用として、「白茶」の古い伝統があったのではないか、 その古い伝統の「自家用白茶」の味に親しんだ福建省出身の華僑の人々から求められ商品化され、またそのような海外の華僑の人々からヨーロッパへの伝播となった。 そうすると「殺青」を必要とする「緑茶」は、高温多湿の雲南省の少数民族が起源のお茶で、「白茶」は「茶の木」の伝播を別にすると、温帯での漢民族起源の「原初的お茶」ではないだろうかと推理しているのですが? |
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日光萎凋中の白茶(福鼎市の取引農場) |