中国茶の産地

中国茶の講座

茶聖人の陸羽の「茶経」の書き出しにある「茶は南方の嘉木なり」の言葉にあるように、私達日本人も「茶」は温暖な気候で栽培されるとのイメージがあります。

このため中国でも福建省や台湾などの、温かい地域が「茶産地」と思われ易いのですが、現実は全国的な広がりを見せています。
しかし、生産地となるとやはり温暖な地域が多くなります。

現代中国では「茶産地」を次の六地区に分けることが一般的です。
「浙江地区」・「安徽・江蘇・山東地区」・「湖北・陜西・江南地区」
・「江西・湖南・広東地区」・「四川・雲南・貴州・江西地区」・「福建・台湾地区」の区分となります。

日本では国立民族博物館の故守屋毅元教授の「四大茶産地区分」が一般的に通用しています。

西南茶区
(雲南省・貴州省・四川省)
「茶」の原産地といわれる処で、喫茶習慣の発祥地でもあります。
茶産地は高原地帯で年間平均気温15〜18度降雨量共に安定した好適地で品種的には大葉種と中葉種が主流となります。

生産は紅茶・黒茶・緑茶・ですが、固形茶(磚茶・団茶・陀茶・餅茶)の品種と生産量が多いことが特徴です。

華南茶区
(広東省・広西省・福建省・台湾)
中国最南端の茶産地で、熱帯から亜熱帯に位置します。
平均気温は15〜29度。
平均降雨量も2000mmもありますが、品種的には中葉種及び小葉種です。
特徴は年間8〜10ヶ月も摘採が可能で、青茶の生産地で発祥の地でもあります。

江南茶区
(江西省・湖南省・湖北省・浙江省・江蘇省南部・安徽省南部)
現在中国最大の茶産地で、全国生産量の50%を占めます。
気候的には亜熱帯で気温降雨量ともに安定しています。
潅木型の小葉種・中葉種が中心で、生産は紅茶・緑茶が主体です。

江北茶区
(安徽省南部・江蘇省南部・河南省・陜西省・甘粛省・山東省)
茶区としは最北端に位置し、長江と黄河の中間地帯になります。
種的には小葉種が中心ですが、地域的な特徴として、他の地域と較べて気温が低く、降雨量も少ないため、四季を通じて冷害や早魃に見舞われやすい欠点があります。

しかし陜西省・甘粛省は最近開拓された新生産地で、将来どんな銘茶が産出さfれるか楽しみです。
現在は緑茶を中心に生産しています。

茶樹は季弘条件や土壌の影響を受け易く、これが逆に地方地方で特徴ある「茶葉」を生み出し、地域的な伝統による「食味」の違いや「製茶技術」の地域的伝統等が総合的に組み合わされて「銘茶」が生産されます。
浙江省の茶産地 西湖龍井茶園
早春二月(西湖龍井茶園)
浙江省杭州市 唐鋒 撮影
四川省の茶産地
四川梧風茶山 四川省峡江県 白建明 撮影

福建省の茶産地 武夷山
春到茶山 福建省武夷山市 鄭友格 撮影

河南省の茶産地
信陽茶緑処 河南省 黄澤遠 撮影
中国側の資料による四大茶産地区分の図
四大茶産地区分

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