4.青茶の製造工程 中国茶の講座-中国六大茶

半醗酵の青茶の製造工程は基本的には次のようになります。

萎凋 ⇒ 揺青 ⇒ 炒青 ⇒ 揉捻 ⇒ 乾燥
いちょう   ようせい  しょうせい  じゅうねん     
萎凋とは茶葉を萎らせることで、屋外で直接日光に当てる方法を日光萎凋といい、中国では晒青(しせい)といいます。
同じ屋外でも日陰で行えば日陰萎凋となり、涼青(りょうせい)と言います。
室内で行う場合は室内萎凋となり、做青(さくせい)となります。この三通りの萎凋を組み合わせることで、個々のお茶の特徴を出します。
揺青(ようせい)とは茶葉に振動を与えながら攪拌したり、両手で持ち上げて揺り落とすことです。
茶葉は茶摘した時から時間と供に、徐々に自然発酵を始めます。
青茶ではこの二つの工程の間に発酵が進み、次の炒青(しょうせい)の工程で醗酵が止められます。
この炒青とは熱処理によって発酵の活性を止める殺青の一種類で、釜で茶葉を炒る熱処理方法のことです。
殺青にはその他に蒸篭等で蒸す蒸青、直接火で炙るこう青、直射日光による晒青(しせい)があります。

揉捻(じゅうねん)とは茶葉を揉んで、茶の成分を抽出し易くするためするための工程で、青茶では直接手で茶葉を揉む以外に、木綿の袋に少量づつ詰めてから、手で揉み球形の茶葉に仕上げる包揉があります。
特に台湾の「凍頂烏龍茶」は同じ包揉でありながら足で揉むことに特色があります。
工程の最後は乾燥で、これにより「毛茶」と呼ばれる半製品の荒茶が出来上がります。
鉄観音の揺青

妙手孕幽香 
福建省安渓県 呉躍生 撮影
これらの工程の前に茶摘がありますが、青茶の場合は原則として若い芽は摘まず、芽が葉となって三.四葉になったときに摘み、これを「開面採」といいます。
芽を摘まない理由は、芽が青茶の香気を引き出す際の障害になるためで、青茶独特の香気は成熟した茶葉からでしか引き出せないと言われます。

岩茶の工程
青茶を代表する「岩茶」の製法は次のようになります。

1.開面採 ⇒ 2.晒青 ⇒ 3.涼青 ⇒ 4.做青 ⇒ 5.炒青 ⇒
6.初揉 ⇒ 7.復炒 ⇒ 8.復揉 ⇒ 9.水焙(毛火) ⇒10.足火


茶摘の後、直ぐに晒青を行うのが「岩茶」の特徴です。
竹笊に入れて立て掛けますが、日差しの強弱により時間は調整されますが、20〜120分程度です。
この段階で茶葉の重量は10〜15%減少し、青臭さが消え、軽く萎凋の香りが立ち始めます。
それを日陰に移して熱気を冷ますのが涼青です。
次に室温21〜27℃、温度70〜85%の密閉した室内に、8〜12時間置いて做青の工程となります。
この間に茶葉に回転振動を与えたり、手作業で攤青(茶葉を広げ散らすこと)を繰り返し行います。

これまでの工程で適度に発酵した茶葉を1〜1.5kgづつ、180か220℃に熱した釜に移して炒青することにより、発酵を止めます。
次に1回目の揉捻を行いますが、これを初揉と言います。

これが終わると茶葉は再び釜に移され、復炒という2度目の火入れがされます。それが終わると乾燥となりますが、1回目の乾燥を水焙(または毛火)と言われ、含水率を30%程度に落とします。
一旦冷やされた茶葉は夾雑物を取り除いた後、5〜6時間広げられたままにされます。
最後に2度目の仕上げ乾燥として、100℃で1〜2時間程度行い製品となります。
晒青

晒青
福建省武夷山市 鄭友格 撮影

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